この記事では、ガミースマイルの原因・治し方、遺伝するのかどうかなど、ガミースマイルに関するよくある質問を美容歯科の観点から説明していきます。
笑ったときに歯ぐきの露出が3mm以上見える状態のことをガミースマイルといいます。笑った時に歯茎が過剰に露出し、歯列が短く見える状態を指します。
通常、上唇が笑った時に歯茎の一部が見えるのは自然ですが、ガミースマイルではその割合が多くなります。ガミースマイルはチャームポイントと捉えられることもありますが、大きく見える歯ぐきがコンプレックスの原因となってしまうこともあります。
歯茎の露出が多いため、歯の長さや形が隠れて見えず、歯列のバランスや美しさに影響を与えることがあります。
女優さんにもガミースマイルの方がいることから、「明るく個性的な印象」を与えますが、歯ぐきが大きく見えてしまうことでコンプレックスを持ち、笑ったときに口元を手で抑えてしまう方も少なくありません。
ガミースマイルの治療は歯科医院でも受けられます。一般の歯科医院で治療を行っている場合もありますが、ガミースマイルの治療は技術と審美の知識が必要不可欠になります。治療を検討する場合は審美歯科で行うとよいでしょう。
骨格の大きさ、上唇や口周りの筋肉、歯ぐきや歯の大きさ、歯並びが関係しており、それらが複合してガミースマイルとなることが多いです。
一人ひとり原因は異なるため、ガミースマイルの治療をする場合は、適切な検査を行い原因を特定することが必要です。ガミースマイルを生じてしまう原因は以下の3つが挙げられます。
骨格の大きさや歯並びが関係しています。骨格や歯並びが悪くなる原因には遺伝が関係している先天的な要素と、日常生活での悪習慣による後天的な要素があります。
上顎の骨が前に出ていることを上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼び、前歯が突出する出っ歯のことを指します。歯と歯ぐきの部分が出っ張った状態になると、上唇が押し上げられるためガミースマイルが生じやすくなります。
上顎前突の主な原因は、先天的な要素と後天的な要素に分けられます。先天的なものとして、ご両親の両方またはどちらかが上顎が大きい、上顎に対して下顎が小さいなどの身体的特徴をお持ちの場合は遺伝する傾向にあります。
後天的な要素として幼少期のおしゃぶりや、舌で前歯を押す癖といった日常の悪習慣によって前歯の突出を引き起こすことがあります。
上下の歯をかみ合わせたときに、下の前歯が上の前歯で隠れてしまうかみ合わせが深い状態のことを過蓋咬合(ディープバイト)といいます。過蓋咬合の方はガミースマイルが生じやすい傾向にあります。
過蓋咬合の原因は上顎の過成長や下顎の成長が足りないなど、遺伝的な要素があります。また、早期に奥歯を失ってそのままにすると、かみ合わせが低くなり過蓋咬合を引き起こします。
歯の位置が低いと、歯と歯肉の境目の位置が下がるため歯ぐきの露出量が増えて、結果ガミースマイルが生じる原因となります。
ハイアングルと呼ばれる面長の方は、上顎の骨が縦に長く、上の前歯が下の位置にあるとガミースマイルを生じる可能性があります。
骨格の問題以外にも、口周りの筋肉や上唇に原因があります。
上唇を上げる筋肉は上唇挙筋と呼ばれており、発達しすぎると必要以上に唇がめくれ上がって歯ぐきの露出量が増えます。
加齢とともに筋肉が衰えて、お口周りの筋肉が下がると前歯の露出が減るため、歯ぐきは目立たなくなることがあります。
上唇の縦幅が短く薄い唇は、口を少し開けた状態でも歯ぐきが見えることがあり、ガミースマイルが生じやすい傾向にあります。
歯ぐきや歯の大きさが原因でガミースマイルを生じることがありますが、歯ぐきだけが原因となるケースはほとんどありません。歯並びや骨格などいくつかの問題が複合してガミースマイルを生じます。
歯ぐきが発達しすぎて、歯に大きく被っている場合は歯ぐきが過剰に見えることがあります。歯ぐきだけの問題は少ないものの、歯並びや歯の大きさなどの問題がいくつか重なってガミースマイルを生じていることが多いです。
歯の萌出不全(ほうしゅつふぜん)で歯が短い場合や、生まれつき歯が小さい矮小歯(わいしょうし)は平均値よりも歯が小さいため、歯ぐきが強調されます。
女優さんやモデルさんにもガミースマイルを持った方がいることから、女性の方が多いと捉えられがちです。
しかし、男性よりも女性の方が多い根拠はありません。また、女性の方が審美的な観点で見られてしまうことが多く、女性が多いという印象を与えています。
男性でも身だしなみとして、ホワイトニングやセラミック矯正、ガミースマイルの治療を望まれる方は増えています。
骨格が原因のガミースマイルは子どもに遺伝する可能性があります。
歯の形態や骨格は遺伝する要素があります。例えば、上顎前突は遺伝的な要素があるため、両親のどちらかが上顎前突であれば、子どもにも影響があります。
そのため、親が骨格や歯の形態に問題があり、ガミースマイルを生じているのであれば、子どももガミースマイルになる可能性があります。しかし、必ずしもガミースマイルになるわけではありません。
また、子どものガミースマイルの治療方法は、顎の骨や筋肉など成長途中の身体に施すため、大人とは異なります。
歯ぐきが大きく見えてしまうことから、コンプレックスを持ちやすく悩まれる方も少なくありません。さらに審美的観点以外にもガミースマイルを放置するデメリットがあります。
歯ぐきが大きく見えることから、審美性を損ねてしまいます。ガミースマイルの捉え方は人によって「可愛い」「無邪気」といったチャームポイントにもなりますが、歯ぐきが大きく見えることから、人前で笑うことがコンプレックスになり、人間関係に支障をきたすことがあります。
ガミースマイルでコンプレックスを持っている方でも、原因をしっかり特定して根本的に改善することで克服することが可能です。
口の開け閉めがしにくい状態になると口呼吸になりやすく、口腔内が乾燥しやすくなります。乾燥すると唾液の量が減って、口腔内の環境が悪化します。
唾液には歯や粘膜に付着した食べかすを洗浄する働きがある自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用があります。これらの作用が低下するとむし歯や歯周病のリスクが高まり、口臭の原因にもなります。
欧米では歯並びに対して意識が高く、歯列矯正やホワイトニングは当たり前となっています。歯並びが悪い状態では就職や結婚にも影響があるほどで、今後海外で活躍する方は注意が必要です。
欧米人と日本人では骨格に違いがあり、欧米人にはガミースマイルが生じる割合が少ないので、笑ったときに大きく見える歯ぐきは驚かれることもあります。
日本人の骨格は「モンゴロイド」、欧米人の骨格は「コーカソイド」に分類されており、日本人は欧米人と比較すると顔の幅が広く、頭が前後に短い特徴があります。また、歯を支える骨(歯槽骨)も幅が狭いことから上顎前突になりやすい傾向があり、ガミースマイルを生じやすいです。
ガミースマイルの治療方法は、ガミースマイルの原因や症状の程度によって異なります。一般的な治療方法をいくつか説明します。
ボトックス(ボツリヌス毒素)を歯茎周辺の筋肉に注射することで、筋肉の活動を一時的に抑制します。
これにより、上唇の筋肉が過剰に動かなくなり、歯茎の露出が軽減されます。比較的簡単で非侵襲的な治療法ですが、効果は一時的で定期的な注射が必要となる場合があります。
ガミースマイルの原因が歯茎の位置や骨の成長に関連している場合、歯周外科手術が検討されることがあります。
手術では、歯肉を切り詰めたり、骨を削ったりして歯茎の高さを調整します。これにより、歯茎の露出を減らし、よりバランスの取れた笑顔を実現します。
歯の咬み合わせの問題がガミースマイルの原因である場合、歯列矯正治療が有効な選択肢となります。
歯列矯正によって咬み合わせを調整し、上唇の筋肉の動きを改善することで、ガミースマイルを改善することができます。セラミック矯正やインビザラインなどの目立ちにくい矯正装置も選択肢の一つです。
これらの治療法は個々の症状に合わせて適用されるため、歯科医師や専門家に相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。彼らはあなたの具体的な状態を評価し、最適な治療法を提案するでしょう。
ガミースマイル、歯並びが悪い、口元にコンプレックスを持っている方は、美しい口元に憧れるのではないでしょうか?美しい口元は、相手に良い印象をあたえたり、自分に自信が持てたりします。
唇のバランスや歯の並び、横顔のラインといった条件が揃うと美しい口元と感じるのです。美しい口元の7つの条件を紹介します。
リップラインは口角を上げて微笑んだときの上唇のラインのことを指しています。理想的なリップラインはミドルリップラインといわれています。
上の前歯が上唇で半分隠れる状態をローリップライン、上の前歯が見える状態をミドルリップライン、歯ぐきが大きく見える状態をハイリップラインといいます。
スマイルラインは、口角を上げて微笑んだときの下唇のラインと上の前歯の先端を結んだラインのことを指しており、下唇のラインに沿っている状態が理想的といわれています。
美しいリップラインはミドルリップラインであり、かつ整ったスマイルラインであることが理想とされています。
黄金比のことで人間が最も美しいと感じる比率のことです。口元にも黄金比があります。
例えば
・下唇の厚み : 上唇の厚み=1.618 : 1
・上の一番前の歯 : 歯の長さ=1.618 : 1
・中切歯:側切歯 : 犬歯=1.618 : 1 : 0.618
が挙げられます。この黄金比が一つの目安となります。
顔の中央を通るラインのことです。上の一番前の歯と歯の間のラインと正中線が合うと審美的な美しさが感じられます。
上下の唇の突出度を測るEラインは審美評価の一つ。鼻の先端と顎の先端を結んだラインで、そのラインよりも上下の唇が少し内側にある状態が理想とされています。
健康的な歯ぐきの色は淡いピンク色をしています。歯ぐきはメラニン色素が付着しやすく、喫煙や口呼吸、銀歯を長年使用していると黒ずんでしまうことも。黒ずんでいる歯ぐきは不健康なイメージを与えてしまいます。
美しい口元の条件の一つに白い歯が挙げられます。日本人の歯の色は欧米人と比較しても黄色い傾向にあります。これは、歯の表面のエナメル質が薄いことで、エナメル質の下にある象牙質の色が目立ち、黄色味があるのです。
表参道デンタルクリニックでは、症状に合わせてガミースマイルの治療を提案しています。ガミースマイルを根本的に解決するためには、よく原因を調べて適切な治療を行うことです。
また、歯ぐきの整形と併用して矯正やセラミック矯正を行うと、美しい口元の条件を満たした口元になり、お顔の印象が変わります。
女性芸能人にもガミースマイルの方が多いことから、愛嬌があって可愛い面もありますが、そのままにしておくと口腔内が乾燥しやすい環境になり、むし歯や歯周病になりやすいデメリットがあります。
歯ぐきが大きく見えることからコンプレックスを持つ方も多く、悩まれる方もいます。そのような場合は歯科医院で治療ができます。
ガミースマイルの原因は骨格や歯並び、お口周りや上唇、歯ぐきや歯の大きさといった3つの問題に分けられますが、それらの問題が複合して生じるため治療方法は原因によって異なります。
表参道デンタルクリニックでは、ガミースマイルの治療を行っております。無料カウンセリングをお申し込み頂けます。治療を検討される方は、適切な検査で原因を調べる必要がございます。まずはお気軽にご相談ください。
経歴 | |
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2000年 | 日本大学松戸歯学部 卒業 東京医科歯科大学病院 勤務 |
2002年 | 都内某審美歯科医院 勤務 |
2004年 | 赤坂美容クリニック ニューオータニ 歯科診療部長 |
2006年 | 米UCLA歯学部 留学 |
2007年 | 湘南美容外科 審美歯科 部長 責任者 |
2014年 | 表参道デンタルクリニック 院長 |
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