ガミースマイルは、笑ったときに歯ぐきが必要以上に目立ってしまうことをいいます。原因は上顎の骨や歯の大きさ、歯ぐきの問題、上唇を上げる筋力が関係しており、それらの原因が重なってガミースマイルを生じます。
ボトックス治療は、上唇を上げる筋肉が原因の場合に改善が見込める治療方法です。今回はボトックスによるガミースマイルの治療について解説します。
ボトックスはボツリヌス菌が作るA型ボツリヌス毒素(たんぱく質)を抽出したもので、筋肉の働きに関係するアセチルコリンの伝達を阻害する作用があり、筋肉の働きを弱めます。
シワやエラの張りの改善にボトックスという言葉が用いられていますが、本来ボトックスと呼べるのは、アメリカのアラガン社の登録商標したボトックスビスタと、ボトックスだけです。
日本では2009年に厚生労働省によって、65歳未満の成人における眉間または目尻の表情ジワの弛緩を効能・効果として製造販売を承認されました。
ガミースマイルの治療としては、上唇を上げる上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋が発達しすぎて、笑ったときに歯ぐきが大きく見える方に対して用いられます。
ボトックスを注射すると上唇を上げる筋肉の働きが弱まり、笑ったときの歯ぐきの露出量を減らします。より効果的に改善する目的で上唇粘膜切除術(上唇と歯肉の間の粘膜を切除した後に、上唇が上がらないようにする手術)と併用することがあります。
ボトックス治療に向いている症例は、上唇を上げる筋肉が発達しすぎて唇が大きく上がってしまう場合に有効な治療方法。骨格や歯の大きさ、歯ぐきが原因の場合や、複数の原因が重なっている場合は効果が得られない可能性があります。
ガミースマイルは大きく分けて3つの原因に分かれています。原因の特定は適切な検査が必要です。
骨格や歯の大きさが原因
歯ぐきの原因
上唇を上げる筋肉が原因
3つの原因がありますが、ほとんどの症例で複数の原因が複合してガミースマイルを引き起こしています。
ボトックスは手軽に行えるガミースマイルの治療方法ですが、原因にあった治療方法を選択しなければ、「思ったよりも効かない」といったトラブルになりがちです。ガミースマイルでボトックス治療を検討される場合は、原因をしっかりと特定できる技術を持った、実績が豊富な審美歯科で治療を受けたほうがよいでしょう。
施術を行う施設によって異なりますが、以下の流れになります。
①カウンセリング
②針を指す部位の消毒と表面麻酔の塗布
③左右の上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋にボトックスを注射
④止血や腫れの有無を確認
カウンセリングではガミースマイルの状態を確認して施術の説明を行います。同意が得られれば、後日施術を行うことが一般的です。
病院によっては、痛みを最小限にするため麻酔のクリームを塗布する場合があります。患部を消毒した後に上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋にボトックスを注射します。
術後は止血や腫れの有無を確認したら施術が完了です。施術後は針を指した部位にほんの少しの出血を伴うことがありますが、手術当日からメイクが可能です。
ボトックス治療はおおよそ15~30分と短い時間で施術が完了します。しかし、ボトックスは即効性があるものではなく、効果が現れるまで3~7日ほどかかります。
個人差がありますが、1回のボトックス注射の持続期間は約4~6ヶ月。継続しなければ自然に元に戻ります。そのため、効果が切れる前に繰り返しボトックス注射をしなければなりません。
費用は施術する病院や使用するメーカーによって大きく異なり、1回につき約5~10万円が相場となっています。
ボトックス治療を受ける前にメリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。
施術にかかる時間はおおよそ15~30分の短い時間で完了します。施術後のダウンタイムの必要もないので、そのままメイクをすることが可能です。
注射による痛みはありますが、施術する病院によって表面に麻酔をすることもあり、身体への負担がほとんどありません。
不自然にならないようにボトックスの量を調整して注射するので、施術したことが周囲に気づかれません。
ガミースマイルの治療方法のなかでも安価になります。しかし、約4~6ヶ月で自然に元に戻ることから継続治療が必要です。その都度費用がかかるので、長期的に見ると他の治療方法と同じ、または高くなることがあります。
ボトックスのデメリットを紹介します。
個人差はありますが、効果が現れるまでに3~7日ほどかかることが多いため、イベントを控えている方は、予定を合わせる必要があります。
持続期間は約4~6ヶ月で自然に元に戻ります。そのため継続治療が必要になります。
術後は上唇から鼻の下に痛みや腫れが生じる場合があります。また、注射針を刺した部位から小さな内出血を伴うことがありますが、1~2週間で消失することがほとんどです。
個人差がありますが、筋肉の付き方は左右対称ではないため、笑った際に上唇の上がり方に左右差が生じ、不自然になる場合があります。
ボトックスは胎児に影響があると報告されており、妊娠中の施術はできません。また、授乳中もボトックス注射を打つことができません。
妊活をされている方もボトックス注射には注意が必要です。女性は施術後2回の月経が過ぎるまで、男性は3ヶ月の避妊が必要になります。
ボトックス治療を検討するとき、美容外科と審美歯科で迷われる方も多いのではないでしょうか。
実績が多く、専門性の高い美容外科でも治療を受けることができますが、ガミースマイルは顎の骨やかみ合わせ、歯の大きさやお口周りの筋肉が関係しており、これらの領域は歯科の分野です。
まずは総合的に検査を行い、ガミースマイルの原因が特定できる審美歯科で相談してから施術を受けることをおすすめします。
ボトックスはガミースマイルを改善する治療方法の一つ。上唇の筋肉が発達してガミースマイルを生じている場合、無毒化したA型ボツリヌス毒素を必要箇所に注射するだけで、上唇を上げる筋肉の働きを抑え歯ぐきの露出を防ぎます。
ガミースマイルの原因はさまざまです。皆様一人ひとりに合った治療方法があります。適切な検査、診察、診断の後に適切な治療方法をお選び下さい。
当医院ではガミースマイルの専門的な治療の提供をしており、しっかりと原因を特定をしてから適切な治療のご提案をしています。無料カウンセリングをお受け頂けます。ガミースマイル治療でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
経歴 | |
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2000年 | 日本大学松戸歯学部 卒業 東京医科歯科大学病院 勤務 |
2002年 | 都内某審美歯科医院 勤務 |
2004年 | 赤坂美容クリニック ニューオータニ 歯科診療部長 |
2006年 | 米UCLA歯学部 留学 |
2007年 | 湘南美容外科 審美歯科 部長 責任者 |
2014年 | 表参道デンタルクリニック 院長 |
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