歯冠長延長術(クラウンレングスニング)とは
「歯冠長延長術」という名前から歯を伸ばす治療と思われがちですが、実際には歯肉の位置を下げることで、もともと隠れていた歯を露出させます。
主な目的①:審美的改善
歯茎が歯を覆いすぎている「ガミースマイル」を改善し、歯と歯茎のバランスを整えた美しいスマイルラインを作ります。
主な目的②:歯の保存
虫歯や歯の破折が歯肉縁下まで進行し、被せ物が困難な場合に、歯肉を下げて治療部位を露出させ抜歯を避けます。
主な目的③:補綴前処置
クラウン(被せ物)に必要なフェルール(支台歯の高さ)を確保し、補綴物の長期的な安定をはかります。
さまざまな呼び方・別称について
「歯冠長延長術」「歯肉切除術」「歯肉整形術」「ガミー修正」「クラウンレングスニング」——これらはすべてほぼ同じ術式を指す言葉です。
すべて「歯茎を切除・整形して歯の見える範囲を広げる治療」です。呼び方の違いで迷う必要はありません。
歯冠長延長術
歯周外科の正式名称。学術的・専門的な場面で使われます。
歯肉切除術
「歯茎を切除する手術」という意味の別名。一般歯科や患者向けの説明で広く使われます。
歯肉整形術
「歯茎の形を整える手術」という意味の別名。審美歯科やガムライン修正の文脈でよく使われます。
ガミー修正
「ガミースマイルを修正する」という通称。美容歯科・審美歯科クリニックで使われます。
クラウンレングスニング(CLP)
英語名 "Crown Lengthening" の日本語読み。専門医・歯科論文・海外文献で使われる表現です。
どんな人に適している?適応と対象
🔍 こんな方に歯冠長延長術が適応の可能性
- 1笑ったとき上の歯茎が3mm以上見える(ガミースマイル)
- 2自分の歯が正方形に近く、縦の長さが横幅より明らかに短く見える
- 3歯並び自体は悪くないのに口元全体のバランスが気になる
- 4虫歯が歯肉縁下まで進み、他院で抜歯を勧められている
- 5被せ物がすぐに外れてしまう(歯の高さが不足している)
- 6歯茎が全体的に分厚く、歯が短く見える(過形成歯肉)
- 7左右で歯茎のラインが不揃いで見た目が気になる
ガミースマイルと歯冠長延長術の関係
ガミースマイルとは、笑ったときに上の歯茎が通常より多く見える状態で、上顎の歯茎が3mm以上口元から見えているとガミースマイルと診断されます。
ガミースマイルの主な原因
歯の長さ・生え方の問題
歯が歯茎に覆われすぎて短く見える場合。歯冠長延長術が特に有効。
上顎骨の過剰発達
上顎骨が縦に長い骨格的な問題。重度の場合は骨切り手術が必要なこともあります。
上唇の筋肉の問題
上唇挙筋の発達が強い場合。上唇粘膜切除術やボトックス注射が適応になります。
| 程度 | 歯茎の露出量の目安 | 主な治療法 |
|---|---|---|
| マイルド | 歯の長さの25%以内 | 歯肉切除・歯冠長延長術 |
| 中程度 | 歯の長さの20〜50% | 歯冠長延長術・セラミック矯正の併用 |
| 進行 | 歯の長さの50〜100% | 歯冠長延長術・上唇粘膜切除術・矯正 |
| 重度 | 歯の長さの100%以上 | 上顎骨切り術(外科矯正)など |
歯肉切除術・歯肉整形術との違い
| 項目 | 歯肉のみ切除(浅い処置) | 歯肉+歯槽骨整形(深い処置) |
|---|---|---|
| 処置内容 | 歯肉のみをレーザー・電気メスで切除 | 歯肉切除+必要に応じ歯槽骨も整形 |
| 後戻りのリスク | 比較的高い(再生能力により戻りやすい) | 低い(骨ごと整形するため安定) |
| 施術時間 | 短時間(数十分程度) | やや長め(60分前後) |
| ダウンタイム | 短い(数日〜1週間) | 1〜2週間(抜糸まで) |
| 改善できる量 | 少量(2〜3mm程度) | より大きな改善が可能 |
| 費用目安 | 比較的安価 | 歯肉切除より高め |
| こんな人向け | 軽度・まず試したい方 | 根本的な改善を求める方 |
手術の流れと方法
歯冠長延長術は主に局所麻酔下で行われ、手術時間は平均60分程度です。
カウンセリング・診査・診断
顔写真・口腔内写真・レントゲン(パノラマ・CT・セファロ)などで詳細に状態を確認。ガミースマイルの原因を正確に特定し、治療計画を立案します。
デザイン・マーキング
理想のスマイルラインをシミュレーションし、切除する歯肉・骨のラインをミリ単位でマーキング。患者様と仕上がりイメージを共有します。
麻酔(表面麻酔→局所麻酔)
先に表面麻酔を貼付して注射の痛みを軽減。その後、極細の針で局所麻酔を注入します。
歯肉切除・歯槽骨整形
メスやレーザーを用いて歯肉を切開・切除し、歯の露出範囲を広げます。必要に応じて歯槽骨も削り、高さ・幅・溝を3次元的に整形します。
縫合・術後処置
止血しながら縫合して手術終了。痛み止め・抗生剤などを処方します。
抜糸・経過観察(術後1〜2週間)
術後1〜2週間後に抜糸。歯肉が安定するまでに6〜12週間を要し、その後に最終的な被せ物(セラミックなど)の装着へ進みます。
メリット・デメリット・リスク
✅ メリット
- 後戻りしにくく効果が長期持続
- 歯を削らずに歯茎のポジションを改善
- 傷口は口の中なので外見から目立たない
- 虫歯・破折のある歯を保存できる
- 歯磨きしやすくなり歯周病リスクが軽減
- セラミックとの併用でより自然な仕上がり
- 局所麻酔で対応でき手術時間が短い
⚠ デメリット・リスク
- 術後に腫れ・痛み・内出血が出ることがある
- 一時的な知覚過敏が生じる場合がある
- 歯肉が安定するまで2〜3か月かかる
- 自由診療(保険適用外)のため費用がかかる
- 骨格・筋肉が原因の場合は効果が限定的
- 調整できる量に限りがある
- 稀に後戻りする可能性がある
費用・ダウンタイム
費用の目安
| 施術内容 | 一般的な費用目安(税込) | 当院の料金(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 歯冠長延長術(1歯) | 15,000〜66,000円程度 | 15,000円〜 | 術式・部位により変動 |
| 歯肉整形 | 40,000〜70,000円程度 | 38,500円 | 歯茎のライン・形を整える |
| ガミー修正 | 55,000〜100,000円程度 | 52,800円 | ガミースマイルの改善 |
| 歯槽骨整形を含む(1歯) | 30,000〜100,000円程度 | 30,000円〜 | より広範な整形が必要な場合 |
| 複数歯(審美領域) | 100,000〜330,000円程度 | 240,900円 | 前歯6〜8本など広範囲の場合 |
| セラミッククラウン(1本) | 100,000〜200,000円程度 | 68,640円〜 | 歯冠長延長術との組み合わせ時 |
ダウンタイム・術後経過
術後当日〜3日
腫れ・痛みのピーク期間。処方された痛み止め・抗生剤を服用。硬いもの・刺激の強い食べ物は避けます。
術後約1週間
腫れが落ち着いてきます。抜糸のための通院(術後1〜2週間後)。
術後約1か月
歯肉の外観が整い、経過観察のための通院。傷口はほぼ目立たなくなります。
術後6〜12週間
歯肉・骨が安定し、最終的な被せ物(セラミッククラウンなど)の装着が可能になります。
術後の注意事項
- 術後しばらくは硬い食べ物・熱いもの・辛いものを避ける
- 強いブラッシングは一時的に控え、うがい薬・処方薬の指示を守る
- 喫煙は傷の治癒を遅らせるため、術前後は禁煙が推奨される
- 定期的なメンテナンス(歯周病チェック)を継続する
- 知覚過敏の症状が出た場合は早めにクリニックへ相談する
よくある質問(FAQ)
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カウンセリングは無料です。
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監修医師紹介

表参道デンタルクリニック 院長
- —日本大学松戸歯学部 卒業
- —東京医科歯科大学病院 勤務
- —都内審美歯科医院 → 赤坂美容クリニック
- —ニューオータニ 歯科診療部長
- 2007米UCLA歯学部 留学 インプラント外科・審美歯科・疼痛管理ほか 5プログラム修了
- —SBC湘南美容外科 審美歯科部長・審美歯科責任者
- 2014〜表参道デンタルクリニック 表参道審美歯科 院長(現職)