「歯をほとんど失ってしまった」「入れ歯が合わなくて食事が辛い」「上下両方インプラントにしたいが費用が心配」——そんなお悩みをお持ちの方にとって、オールオン4(All-on-4)は有力な選択肢のひとつです。
最小4本のインプラントで片顎すべての歯を固定できるこの治療法は、従来の全顎インプラントと比べてコストを抑えられる反面、上下(両顎)で行うと合計400万〜800万円以上になることも珍しくありません。
この記事では、オールオン4を上下で受ける場合の費用相場・内訳・素材の違い・節約のポイント・失敗しない医院選びまで、表参道デンタルクリニック院長・飯島 実が詳しく解説します。
オールオン4とは?仕組みと特徴
オールオン4(All-on-4)は、片顎に最小4本のインプラントを戦略的に埋入し、それを土台として全ての人工歯(ブリッジ)を固定する治療法です。2000年代初頭にノーベルバイオケア社によって開発・普及し、現在では世界中の歯科医院で実施されています。
従来のインプラントとの違い
通常のインプラント治療では、失った歯1本につき1本のインプラントを埋入します。全ての歯を失った場合、片顎だけで6〜14本のインプラントが必要となり、費用は片顎で480万〜960万円にもなることがあります。それに対してオールオン4は、最少4本のインプラントで片顎全体を支えるため、本数・手術回数・コストを大幅に削減できます。
また、後方の2本のインプラントを斜め(傾斜)に埋入する「チルトインプラント」技術により、骨量が不十分な場合でも骨造成なしで対応できるケースが増え、骨移植の必要性が少ないという点もオールオン4の大きな特徴です。
即日仮歯の装着
手術当日に仮歯を装着できるため、歯のない期間がほとんどありません。治療直後から噛める状態になります。
本数が少なくコスト削減
4本のインプラントで全ての歯を支えるため、通常の全顎インプラントより費用・手術回数を大幅に抑えられます。
骨造成が不要なケースも
傾斜埋入技術により、骨量が少ない部位でも骨造成なしで対応できる場合があります。
固定式で安定感抜群
ネジで固定される固定式のため、入れ歯のようにズレたり外れる心配がなく、自分の歯に近い感覚で生活できます。
オールオン4 上下の費用相場
上下両顎でオールオン4を行う場合の総費用は、一般的に500万円〜1,000万円程度という見方もあります(医院や素材によってはそれ以上)。片顎の費用を基準として「片顎×2」が目安ですが、上下同時に治療することで10〜15%程度費用を抑えられるケースもあります。
費用の内訳と変動要因
オールオン4の治療費は、以下の項目から構成されています。どの項目がどれくらいかかるかを事前に把握しておくことで、医院間の見積もり比較がしやすくなります。
| 費用項目 | 概算(片顎あたり) |
|---|---|
| 検査・診断費用(CT撮影・診断用模型など) | 5万円〜15万円 |
| インプラント埋入手術費 | 60万円〜120万円 |
| インプラント体(4本分) | 40万円〜80万円 |
| 仮歯(テンポラリーブリッジ) | 10万円〜50万円 |
| 最終補綴物(上部構造)※素材で大きく変動 | 50万円〜280万円以上 |
| その他(麻酔・投薬・調整費など) | 10万円〜30万円 |
※上記はあくまで目安です。医院・患者様の状態によって異なります。
費用を左右する主な要因
- 上部構造(人工歯)の素材アクリルレジン・ハイブリッド・ジルコニアセラミックなど素材によって費用が大きく変わります。詳細は次のセクションで解説します。
- インプラントメーカーノーベルバイオケア(スウェーデン)・ストローマン(スイス)など世界的に信頼性の高いメーカーは費用が高めになりますが、長期成功率が高い傾向があります。
- 骨造成・骨移植の有無顎骨が不十分な場合、骨造成(サイナスリフト・ソケットリフトなど)が必要となり、1回あたり10万〜50万円の追加費用が発生することがあります。
- 医院の立地・設備都市部・駅前の好立地クリニックや、歯科用CT・手術ナビゲーションシステムなど最新設備が整った医院は費用が高めに設定される傾向があります。
- 担当医の技術・資格日本口腔インプラント学会認定医・専門医などの資格を持つ歯科医師が担当する場合、技術料が費用に加算されるケースがあります。
- 静脈麻酔・全身麻酔の使用上下同時手術で長時間の麻酔が必要な場合、麻酔費用が別途発生することがあります。
素材別(セラミック・ジルコニア)費用比較
オールオン4の費用で最も差が出るのが、上部構造(人工歯と歯茎部分)の素材選択です。素材によって耐久性・審美性・将来のメンテナンス費用が大きく異なります。
| 素材 | 片顎の費用目安 | 耐久性 | 審美性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| アクリルレジン | 210万円〜250万円程度 | 5〜7年 | 普通 | 初期費用が最も安価。経年変色・摩耗が起きやすく定期的な交換が必要な場合あり。 |
| ハイブリッド素材 | 240万円〜300万円程度 | 7〜10年 | やや高い | 中間的な価格帯。セラミックとレジンの中間的な性質を持つ。 |
| ジルコニアセラミック | 300万円〜500万円以上 | 15年以上 | 非常に高い | 最も耐久性・審美性に優れる。変色・摩耗が少なく長期的コストパフォーマンスが高い。 |
インプラントメーカー別の費用目安
| メーカー | 片顎の費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ノーベルバイオケア(スウェーデン) | 250万円〜550万円程度 | オールオン4の開発元。専用システムあり。世界最高の実績。 |
| ストローマン(スイス) | 230万円〜500万円程度 | 世界的に高いシェア。長期成功率が高く信頼性が高い。 |
| その他メーカー | 185万円〜400万円程度 | 価格は比較的抑えめだが、長期データの蓄積が少ない場合も。 |
上顎・下顎それぞれの費用と特徴
上顎のオールオン4
上顎は解剖学的に骨密度が低く、加齢や歯の欠損によって骨が吸収されやすいという特徴があります。特に上顎洞(サイナス)に近接している場合、サイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成が必要になるケースが多く見られます。これらの追加処置には10万〜50万円程度の追加費用が発生することが一般的です。
また、上顎のオールオン4では見た目(審美性)へのこだわりが特に強くなりやすく、素材選びによる費用差が大きくなりがちです。
下顎のオールオン4
下顎は上顎に比べて骨密度が高く、インプラントの安定性を得やすい傾向にあります。一方で、下顎管という太い神経が走行しているため、インプラントの埋入位置の設計に特に注意が必要です。サージカルガイドやCT分析・精密シミュレーションの導入が特に重要になり、これにより追加費用が発生することがあります。
🦷 上顎オールオン4の費用特徴
- 骨造成(サイナスリフト)が必要なケース多い
- 骨造成で+10万〜50万円の追加費用
- 審美性の素材選びでコスト差が出やすい
- 下顎より費用が高くなる傾向
🦷 下顎オールオン4の費用特徴
- 骨密度が高くインプラントが安定しやすい
- 神経位置確認のためCT・ガイド費用が発生することも
- 総入れ歯が不安定になりやすく需要が高い
- 上顎より費用が抑えられる場合が多い
オールオン4 vs 通常インプラント vs 入れ歯 費用比較
オールオン4の費用は高額に思えますが、他の治療法と比較するとその位置づけが見えてきます。
| 治療法 | 片顎の費用目安 | 固定式 | 噛む力 | 寿命 |
|---|---|---|---|---|
| オールオン4 | 200万〜400万円 | 固定式 | 高い | 10〜15年以上(適切なケアで) |
| 通常のフルマウスインプラント (6〜14本埋入) |
480万〜960万円以上 | 固定式 | 非常に高い | 15年以上 |
| 保険適用の総入れ歯 | 1万〜3万円程度 | 取り外し式 | 30〜40%程度 | 3〜5年程度 |
| 自費の金属床義歯 | 50万〜100万円程度 | 取り外し式 | やや高い | 5〜7年程度 |
※費用・効果は個人差があります。必ず専門の歯科医師にご相談ください。
保険適用・医療費控除について
保険適用について
オールオン4は保険適用外の自由診療(全額自己負担)です。使用する素材・インプラントメーカー・手術方法など、すべて歯科医院が独自に料金を設定しています。そのため、同じ治療内容でも医院によって費用が大きく異なります。
医療費控除の活用
オールオン4は保険適用外ですが、医療費控除(確定申告)の対象となります。1年間の医療費の合計が10万円(または所得の5%)を超えた場合に申請でき、払いすぎた税金の一部が還付されます。上下合計で数百万円の治療費の場合、医療費控除による節税効果が大きくなります。
デンタルローン・分割払い
多くの歯科医院ではデンタルローンや院内分割払いに対応しています。月々1万〜数万円で支払えるプランもあり、高額な一括払いが難しい方にとって現実的な選択肢となっています。ローン利用の場合は金利が発生するため、実質的な総費用が高くなる点に注意が必要です。
費用を抑えるポイントと注意点
費用を適切に抑える方法
- 上下同時治療を検討する:麻酔や手術準備が1回で済むため、別々に治療するより10〜15%程度費用が抑えられるケースがある
- 医療費控除を活用する:確定申告で税金の還付を受けることで実質的な自己負担を減らせる
- 複数医院でカウンセリングを受ける:見積もりを比較し、内容と費用の透明性を確認する
- デンタルローンを活用する:一括支払いが難しい場合、月払いで計画的に支払う
- 補助金・給付金を確認する:加入している保険によっては給付金が受け取れる場合がある
安さだけで選んではいけない理由
「安いオールオン4」を選んだ結果、素材の品質が低く数年で破損・変色したり、十分な診査診断なく手術が行われ、後から大規模なやり直し(リカバリー)が必要になるケースが後を絶ちません。リカバリー手術には多大な時間・費用・身体的負担がかかり、結果的にトータルコストが大幅に増えてしまうことがあります。
オールオン4のメリット・デメリット
メリット
固定式で外れない
入れ歯のようにズレたり外れる心配がなく、安心して食事・会話を楽しめます。自分の歯に近い感覚で使えます。
即日仮歯で歯のない期間なし
手術当日に仮歯を装着できるため、歯のない期間がほとんどなく、精神的負担が軽減されます。
フルマウスより費用が抑えられる
全ての歯にインプラントを入れる従来法と比べ、必要本数が少ないためトータルコストを大幅に削減できます。
美しい見た目(セラミック使用時)
ジルコニアセラミックを使用した場合、天然歯に近い自然な白さと透明感を再現。笑顔に自信が持てます。
デメリット・注意点
- 費用が高額片顎200万〜400万円、上下で400万〜800万円以上が目安となり、経済的な準備が必要です。
- 4本中1本でもトラブルが起きると全体に影響4本のインプラントで全体を支えるため、1本のインプラントが失敗すると歯列全体に影響を及ぼす可能性があります。
- 定期的なメンテナンスが必須3〜4ヶ月ごとの定期検診・クリーニングが欠かせません。怠るとインプラント周囲炎などのリスクが高まります。
- 適応できない場合がある糖尿病・骨粗しょう症などの全身疾患がある方、喫煙者はインプラントの成功率が低下することがあります。
- 治療できる医院が限られる高度な技術を要するため、経験豊富な専門医のいる医院を選ぶ必要があります。
- 上下同時治療時の噛み合わせ設計が重要上下ともに人工歯になると、わずかなズレでも咬合性外傷や顎関節症の原因になる可能性があります。
治療の流れ
オールオン4の治療は、初診から最終補綴物の装着まで通常数ヶ月〜半年程度かかります。骨造成が必要な場合や上下同時治療の場合は期間が延びることがあります。
初診・精密検査(CT撮影・診断)
CT(歯科用コーンビームCT)撮影で顎骨の量・質・神経位置を詳しく確認。診断用模型やデジタルシミュレーションで治療計画を立案します。費用:5万〜15万円程度。
カウンセリング・治療計画の確認
検査結果をもとに、担当医から治療方針・費用・期間・リスクについて詳しい説明を受けます。素材・インプラントメーカー・支払い方法を相談・決定します。
抜歯・骨造成(必要な場合)
残存歯の抜歯や、骨量が不十分な場合の骨造成(サイナスリフト等)を行います。骨造成後は治癒期間(数ヶ月)が必要なケースもあります。
インプラント埋入手術・即日仮歯の装着
4本のインプラントを戦略的に埋入。後方2本は傾斜埋入(チルト)で骨量の少ない部位に対応。手術当日に仮歯(テンポラリーブリッジ)を装着します。
インプラントの結合待機期間(3〜6ヶ月)
インプラントが顎骨と結合(オッセオインテグレーション)するまでの期間。この間は仮歯で生活します。定期的に経過確認を行います。
最終補綴物(ジルコニアセラミック等)の装着
インプラントが安定したら、最終的な人工歯(ジルコニアセラミックなど)を製作・装着します。噛み合わせ・審美性を精密に調整し治療完了となります。
定期メンテナンス(3〜4ヶ月ごと)
インプラントを長期間安定させるために定期検診・専門的クリーニングが必要です。インプラント周囲炎の早期発見・予防のために欠かせません。
よくある質問(FAQ)
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ジルコニアセラミックのオールオン4が 1,632,400円(税込)〜
一般相場200万〜400万円と比べ、圧倒的なコストパフォーマンス。
インプラント外科を米UCLAで修了した院長が直接担当します。
まずは無料カウンセリング・CT診断からどうぞ。
監修医師紹介

- —日本大学松戸歯学部 卒業
- —東京医科歯科大学病院 勤務
- —都内審美歯科医院 → 赤坂美容クリニック
- —ニューオータニ 歯科診療部長
- 2007米UCLA歯学部 留学 インプラント外科・審美歯科・疼痛管理ほか 5プログラム修了
- —SBC湘南美容外科 審美歯科部長・審美歯科責任者
- 2014〜表参道デンタルクリニック 表参道審美歯科 院長(現職)